戦前までは「何が何でもお位牌だけは持って逃げろ!」と言われていました。(ははは、古いですね・・・)
なぜなら、お位牌は、そのお家の誰が家長であるか、誰が遺産の相続権があるのかを示す大切な証しであったからです。
しかし、時は変わって戦後、憲法も変わって、その家の財産は家族が法の元に平等分けることになりました。先祖代々のお墓やお仏壇の跡を継ぐことはその家の財産も継承することであったのに、家制度の崩壊によって、先祖代々のお墓やお仏壇というものを継承する人が家族の中で誰なのかということがとても曖昧になってきたのです。
はっきり言うと財産は均等に分けられるのに、お墓やお仏壇は引き受けた人だけが手間もお金もかかって損をする!と思われるようになったのです。
実際にはお坊さんにお経を上げてもらう費用やお仏壇をお飾りするお花代、お線香におろうそく・・・とあげればきりがないですね。ご先祖さんを供養しているはずなのに、一人だけ損をしているような気持ちになってしまっている人がいるかもしれません。
先祖代々の古くて大きな仏壇を「すすぬき」するのにいくらかかるか?と仏壇屋さんに聞いてみたところ「新品を買うくらいですかねぇ~」という答えが返ってきました。
近頃ではマンションにも置ける小さな家具調仏壇もありますが、決して安い買い物ではありません。いざという時葬儀や法事にかかる費用だってかなりの額になります。
そういう出費をしてまで、果たしてお墓やお仏壇を継承しなくてはならないの?という疑問が出てきたのです。
たとえば、地方から都会の大学に入り、家業や農業を継ぐことなく都会で就職した人はたくさんいますよね。そういう方が都会で結婚して家族を持ち、都会で家を建てると、いったいどうなるのでしょう?
ポンとキャッシュで払った方もいるでしょうが、大半の方は何十年もの家のローンに追われてしまいます。
子供さんの教育費もばかになりませんよね。地方にいる両親だけになら気持ちがあるでしょうが、お墓やお仏壇といったご先祖さんのお世話までできるでしょうか。
地方にいる親は年を重ねいまさら住みなれた田舎を離れられません。息子が建てた家には大きな仏壇を置くスペースもありません。
先祖代々のお墓を都会に移すのも大変です。だから地方の親は「長年住み慣れた場所で最後を迎えたい」と自然に思います。
でも「たとえ息子が都会にいても、娘が遠くに嫁入りしていたとしても、自分の死後誰もお墓参りに来てくれない無縁佛になるのはいやだ。
ちゃんと生きた証しが欲しい」これが偽らない本音ですね。
では、どうすればいいのでしょうか?
その答えの選択肢の一つが納骨堂なのです。お寺にまかせると、ずーっと毎日お香の香りに包まれてお経の声が響き渡り、決して無縁仏になりません。
阿弥陀さまのもと、住職や住職の家族たちのお経があがります。
公営墓地の多くの場合、故人のお骨がないと墓地購入できないところもあります。ひとりぼっちになったばかりの一番心細いときに墓石はいくらなの?とか墓地の管理料は?と悩むのは厳しいですね。
老後の出費を少しでも抑えたいと思う方には生前予約ができて、最終的な出費がはっきりしている納骨堂や永代供養モニュメント墓が有利なのです。
納骨堂を選ぶことで、お世話になったご先祖さまを粗末にもせず、自分も粗末にされず、子供にも迷惑をかけず、それどころか子供達にはきっと感謝をされるはずです。
三方丸くおさまる方法として納骨堂は一番いい選択ではないでしょうか。